奈良市柳生町の戸岩谷の奥「天石立神社」には2つに割れた巨石があります。アニメ「鬼滅の刃」の聖地として有名になりましたが、実はあのシーンは宗厳のある伝説をもとにしているのです。
宗厳が剣術の先生であった戸田一刀斎を打ち負かすほどの腕前であると噂になり、方々から腕自慢が柳生に訪れますが、宗厳に勝てるものは一人もいませんでした。
しかし、東国から来た上泉伊勢守秀綱(こうずみいせのかみひでつな)がやって来ると、新陰流を編み出した名人に容易く一本を取られてしまいます。そこで宗厳は秀綱の弟子となり、日々修行に励みました。
そんなある夜、天狗が現れ宗厳に襲い掛かります。宗厳が天狗を一刀のもとに斬り捨てると、そこに天狗の姿はなく、傍にあった大きな石が真っ二つに斬られていました。
それからその石を「一刀石」と呼ぶようになり、今でも天狗のつけた傷跡が残っているそうです。